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子供の成長と睡眠の役割 その3 毎日繰り返しが大切、ねんねトレーニング


子供の成長と睡眠の役割 その3 毎日繰り返しが大切、ねんねトレーニング

赤ちゃんと絵本を読む母親

大切なねんねトレーニング

睡眠習慣を身に着けることは、まずは親の教育と睡眠衛生40 から始まります。

睡眠衛生」という定義は、睡眠に適切な環境、子供と親との規則正しい習慣、質の良い眠りと効果的な睡眠時間を持つよう実践することを意味します。

正しい睡眠衛生を実践するためには、乳児や子供たちが必要なのは、次のようなことです。
眠る時間に入る前に落ち着く時間
規則正しい夜の就寝と昼寝の時間
眠るために適度な静かな部屋
入眠前には適さない行動や環境を避けること

例えば、だっこしてゆらゆら揺らしたり、添い寝したり、眠らせるために授乳したりを習慣にすると、子供たちは夜目が覚めたときも、これと同様なことを求めます。

乳児と幼児の眠りの問題のために、行動的介入(behavioural intervention)の効果性については、多くの研究がされています。(訳者注:この場合の行動的介入とは、親が子供を寝かしつけるために、適切なトレーニングをしたり、意識的に子供に眠ることを練習させること。日本的に言うとねんねトレーニングと言えるのでは。)52の研究にわたり、94%が行動的介入が有効であり、80%の子供たちが、眠るときと夜目が覚めるときの問題が画期的に改善されたと報告されています。25 

特筆すべきは、寝かしつけの習慣などを含む介入方法(ねんねトレーニング)は、育児の一部としてよく研究されていることです。最も研究されている方法は、下記にあげる通りです。

泣いてもそばに行かない

放置、泣かせっぱなしにする方法は、決められた時間に子供をベッドに寝かせたら、翌朝の特定の時間まで子供を無視する方法です。(ただし、病気やケガをしないよう観察します)25,40 この方法は、眠らずにむずがる子供達が、さらに大きく泣いたり叫んだり、また癇癪の爆発を止めさせることが目的です。

これは親にとっても辛い方法です。泣き声を聞くのが耐えらなかったり、場合によって傍に行ったり、行かなかったりと不規則では上手くいきません。

しばらく泣かせておく

しばらく泣かせておく、ねんねのトレーニングは、子供の要求にある一定の時間応えずにおくことです。25,40

子供の相手になってやるまでの長さは、子供の年齢や気性、子供が泣いていることにどのくらい親が耐えるかの判断によります。親が子供のそばに行く時は、決めたルールを守りましょう。例えば5分おきと決めたら、必ず5分は待ちます。

上手く行くようになったら、待つ時間を徐々に長くしてゆくなどの工夫をします。最初は5分、次は10分、次は15分のようにします。

この方法で子供は自分で気持ちを落ち着ける能力を培い、得ることのできない眠る前の習慣や、親の介入なしに眠りに戻る力を発展させてゆきます。

決まった時間に目覚める

Scheduled Awakening(計画的な目覚め)25,40 と呼ばれるこの方法はまず、夜子供が自然に何時くらいに起きるか、何回目が覚めるかを知る必要があります。例えば、ほぼ毎日10時、12時、5時にぐずって起きるなど。それが分かれば、その時間の30分から10分前に親が起きて、子供がそのまま寝続けるようあやしてやります。目が覚めそうな様子であれば、ちょっと揺らしたり、なでたりして、自然に眠りに戻って行きやすくしてやります。

上手く行き出すと、子供が目を覚ます回数は減って行き、子供が長く寝続けることに繋がります。

眠るときの習慣は根気強く繰り返し

北米からの驚くべき実証があります。乳幼児の眠りの問題を解決するためのねんねトレーニングは、非常に効果的という調査結果が出ています。トレーニングには眠る前の儀式、習慣も含まれています。25,41,42

眠る前の儀式としては、暖かいお風呂、リラックスさせるマッサージ、子守唄を歌ってやったり、本を読んでやったり4,42の子供を穏やかな気分にする習慣が推奨されます。

このような習慣は、肌と肌の直接のコンタクト43、目と目を合わせるコンタクト44、親の声を聞くこと45、母親父親の匂い、お風呂で使ったものの馴染み深い匂いなど、五感で感じることができます。

乳児たちが、ものを学習するには大切な2つのカギがあります。それは、繰り返しと関連性です。この2つは子供達が物事を学ぶのには欠かせません。

赤ん坊が何度も何度も同じことを経験する時、脳の中で出来事の関連性はより強く、より複雑になってきます47

予測のつくストレスの少ない環境での毎日の習慣で、幼い子供達は日中の機嫌がよくなり、親も達成感を味わいます。48  眠る前の儀式のおかげで、親もストレスを減らすことができ、子供たちもごく小さな頃から慨日リズム(生き物が持つ体内時計とも言えるリズム)を身につけてゆきます49

参照

  1. Mindell JA, et al. Behavioral treatment of bedtime problems and night wakings in infants and young children. Sleep. 2006;29:1263–76.
  2. Halal CS, et al. Education in children’s sleep hygiene: which approaches are effective? A systematic review. J Pediatr (Rio J). 2014;90(5):449-56.
  3. Morgenthaler T, et al. Practice parameters for the psychological and behavioral treatment of insomnia: an update. An American Academy of Sleep Medicine report. Sleep. 2006;29:1415-9.
  4. Mindell JA, et al. A Nightly Bedtime Routine: Impact on Sleep Young Children and Maternal Mood. Sleep. 2009;32:599-606.
  5. Field T, et al. Lavender bath oil reduces stress and crying and enhances sleep in very young infants. Early Hum Dev. 2008;84(6):399-401.
  6. Farroni T, et al. Eye contact detection in humans from birth. Proc Natl Acad Sci U S A. 2002;99(14):9602-5.
  7. Dehaene-Lambertz G, et al. Language or music, mother or Mozart? Structural and environmental influences on infants’ language networks. Brain Lang. 2010;114(2):53-65.
  8. Sullivan RM, et al. Clinical usefulness of maternal odor in newborns: soothing and feeding preparatory responses. Biol Neonate.
    1998;74(6):402-8.
  9. Schiller P. Early brain development research review and update. Exchange (2010).
  10. Fiese BH, et al. A review of 50 years of research on naturally occurring family routines and rituals: cause for celebration? J Fam Psychol. 002;16:381–90.
  11. Philbrook LE, et al. Maternal emotional availability at bedtime and infant cortisol at 1 and 3 months. Early Hum Dev.2014;90(10):595-605.