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子供の成長と睡眠の役割 その2 睡眠障害が引き起こすこと


子供の成長と睡眠の役割 その2 睡眠障害が引き起こすこと

泣いている女の子

子供たちがまだ幼い段階での睡眠の問題

睡眠の問題は、小児科医の注目を引く共通した関心ごとの一つです。19,20
どのような睡眠形態が問題となるかの定義もさまざで、家族の意見、文化的な基準で異なります。

さらに、乳児と子供の睡眠に関するトラブルは、深刻な問題として広く認識されているわけではありません。なかなか眠れない、夜何度も目が覚めるというのは、授乳期、幼児期の子供たちにとってごく当たり前のことなので、周囲の大人は問題を見逃しがちです。21

睡眠障害国際分類は、寝つきが悪い、夜目が覚める問題を、小児の行動不眠症と分類しています。これは更に、しつけ不足睡眠障害入眠時関連障害に分かれます。22

しつけ不足睡眠障害
これは、元来2歳児とそれ以上の子供に見られるもので、
とまどう
口答えをする
泣く
しがみつく
寝るのを拒む
ベッドから出てしまう
注意を引きたがる
食べ物、飲み物、に対してわがままになる

などの行動が子供達に見られます。
両親たちは、子供の寝かしつけに非常に苦労し、仕方なく子供の年齢に見あわない時間に寝かせたり、いつもバラバラの時間に寝かしつけたり、子供の要求をすべてのんでしまうなど、とても苦労します。

入眠時関連障害
これに分類される行動不眠症は、眠る前に何かしないと眠れない乳児や幼児に現れます。
だっこしてゆらゆら揺する
授乳する
親がそばにいなくてはならない

など。
通常夜目を覚ますとき、これらの子供たちは、いつも眠る前にしていることを自分たちでは再現できませんので、両親の助けを借りて眠るのです。

オーストラリアとニュージーランドの疫学の研究では、問題とみなされる行動睡眠は、幼い子供たちに共通していて、30%の親が自分の子供たちは睡眠に問題を持っていると報告しています。23,24 これは、北米の調査では、20-30%の乳児や幼児が睡眠に問題を持っていると見積もられています。25,26

睡眠障害が引き起こすこと

乳児や幼児時代の睡眠の質と量が適切でなかった時は、日中の活動にも悪い影響を与えるます。また小さな時の睡眠の問題は、成長してもずっと続きます27

行動、学力11を含む認知発達、精神面、肥満や代謝が悪いなどの健康、また事故による怪我30 などにつながってゆくのです。更に、子供時代の睡眠の問題は、その後もっと大きくなってからの行動や、情緒の問題にもつながります。貧弱な神経心理は、思春期にも影響します。32,33

乳児期、幼児期の睡眠の問題は、二次的に夫婦間や家族の幸福にも影響します。4 結婚のうつ、34,35  夫婦間の不和は、よくあることで、子供の虐待もあげられます。37

オーストラリアでは、生後6カ月以上1歳未満の乳児の睡眠問題を解決するために、健康の専門家に助けを求める平均的な費用は、一家族につき380オーストラリアドル(約3万円)となっています。38 オーストラリアの人口データは、0歳から7歳の子供たちの睡眠障害問題は、年間2,750万オーストラリアドル(約21億6,000万円)の国の出費と関連していると示唆されています。

前述したような睡眠問題がその後に及ぼす悪い影響を見踏まえ、理解することは、睡眠障害への対応の大切さを認識させてくれます。

参照

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  2. Owens JA. The practice of pediatric sleep medicine: results of a community survey. Pediatrics. 2001;108:e51.
  3. Mindell JA, et al. Cross-cultural differences in infant and toddler sleep. Sleep Med. 2010;11:274-80.
  4. American Academy of Sleep Medicine. International Classification of Sleep Disorders, Second Edition. Westchester, IL: American Academy of Sleep Medicine, 2005.
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  6. Teng A, et al. Infant and toddler sleep in Australia and New Zealand. J Paediatr Child Health. 2012;48(3):268-73.
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  8. Sadeh A, et al. Sleep and sleep ecology in the first 3 years: a web-based study. J Sleep Res. 2009;18:60–73.
  9. Byars KC, et al. Prevalence, patterns, and persistence of sleep problems in the first 3 years of life. Pediatrics. 2012;129:e276–84.
  10. Beebe DW. Cognitive, behavioral, and functional consequences of inadequate sleep in children and adolescents. Pediatr Clin
    North Am. 2011;58:649–65.
  11. Magee L, et al. Longitudinal associations between sleep duration and subsequent weight gain: a systematic review. Sleep Med Rev. 2012;16:231–41.
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  14. Friedman NP, et al. Individual differences in childhood sleep problems predict later cognitive executive control. Sleep. 2009;32(3):323-33.
  15. Gregory AM, et al. Sleep problems in childhood predict neuropsychological functioning in adolescence. Pediatrics. 2009;123(4):1171-6.
  16. Lam P, et al. Outcomes of infant sleep problems: a longitudinal study of sleep, behavior, and maternal well-being. Pediatrics. 2003;111(3):e203-7.
  17. Hiscock H, et al. Infant sleep problems and postnatal depression: a community-based study. Pediatrics. 2001;107:1317–22.
  18. Minde K, et al. The evaluation and treatment of sleep disturbances in young children. J Child Psychol Psychiatry. 1993;34(4):521-33.
  19. Kataria S, et al. Persistence of sleep disturbances in preschool children. J Pediatr. 1987 Apr;110(4):642-6.